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『通訳者・翻訳者になる本2024』イカロス出版 (編集)

こんばんは。
金曜日は、翻訳に関する本です。

毎年更新される、通訳・翻訳業界の全体マップ

先週レビューした『通訳翻訳ジャーナル』と同じイカロス出版さんによる、『通訳者・翻訳者になる本』。分野に特化した情報が多い通訳・翻訳業界で、ここまで全体マップ感が得られる本はあまりなく、毎年楽しみにしています。

最新号が出たタイミングで、前年号がKindle unlimitedの読み放題タイトルに入ります。最新号でないと意味がないということは全くなく、情報もモチベーションも沢山得られるのでおススメです。

本日は、サブスクで読める中で最新号の『通訳者・翻訳者になる本2024』をレビューします。

通訳者・翻訳者に「なりたい人」も、「なっている人」も

「通訳・翻訳がやりたいんです」という学生さんとたまに話す機会があって、そのときは本書を紹介しています。私みたいに「なぜか拾ってもらったパターン」もそれはそれでいいのですが、いま「通訳者・翻訳者RPG」のマサラタウンにいる人には、どんな分野、なり方、年収やライフスタイルがあるのかを把握してから旅をはじめてもらいたくって。

既に通訳・翻訳の仕事をしている人にとっても、エージェント一覧ページはクライアント拡充計画に便利! それに、プロ野球選手がプロバスケ選手と合同トレーニングして得られるものがあるように、通訳者・翻訳者も別ジャンルの情報を得ると、スキルやモチベーションが上がるものです。

さらには、通訳学校・翻訳学校の特集も手厚いので「やっぱり学校に行くべきなのか?」「行く気はないけど、学校で勉強できることは気になる」という方にとって、授業潜入レポートや講師インタビューが一気に読めるのは貴重だと思います。

『通訳者・翻訳者になる本』で得られる情報

通訳・翻訳、お仕事図鑑
(・なにを訳す?
 ・仕事の流れ
 ・必要なスキル
 ・業界用語
 ・気になる年収(気になる!)
 ・最近のトレンド
 ・プロになるには)

通訳・翻訳スクールリスト、授業潜入レポート
通訳・翻訳エージェントリスト
通訳・翻訳が学べる大学・大学院リスト
検定試験ガイド
コンテスト&オーディション情報
業界団体データ
おすすめ本
必携辞書

2024年号のスペシャルインタビューは戸田奈津子さん!

映像翻訳を勉強中なこともあってか、戸田さんのインタビュー記事にはいつも刺さるお話が多い。

周りで話している人がいればもちろん聞き耳を立てますし(笑)、メモも取ります。
でも、それを使うか使わないかはまったく別問題。
言葉を扱う仕事をしている人にとって、勉強とはそういうものでしょう。

「自分が使いたい表現よりも、案件の置かれた状況に合った表現を」。
分かってはいるものの、たまに大先輩に改めて言っていただきたい言葉ですね。

「翻訳一家の3代目」小田島創志さんのインタビューも!

舞台好きの翻訳者にとって、“小田島 the third”のお話が読めたのも2024年号で嬉しかったことでした。

たとえば食事のとき、両親はよく翻訳の話をしていました。
その様子が、子どもだった僕の目には楽しそうに映った。
パソコンに向かって翻訳している姿も、やっぱり楽しそうに見えました。
間違いなく『ホンヤクというのは楽しい』という刷り込みはあったと思います。

若者や我が子に勧められる職業にしたいと、やや危機感を持って語られることもある翻訳者。まずは「自分が翻訳を楽しむこと、楽しめるようにすること」が大事なのかもしれませんね。

戸田さんも、小田島さんも、もっと沢山メモしたいお話がありました。

他にも「通訳者の仕事グッズ」にオペラグラスがあったのが驚きだったり、「エージェントと良好な関係を築くため、直接挨拶に行く」という文面に「こちらも楽しみにしていますよ~!」とお返事(?)したり。

通訳者・翻訳者に「なりたい人」も、「なっている人」も、「理想の通訳者・翻訳者になる!」ために手に取ってほしい一冊でした。

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