こんばんは。
金曜日は、翻訳に関する本のシリーズでお届けします。
技術翻訳者の愛読書
日英の技術翻訳者は持っている人も多い『技術系英文ライティング教本: 基本・英文法・応用』。
工業英検(現在は技術英検)を開催している、日本工業英語協会(現在は日本能率協会に合併)から出版された一冊です。
私自身、新入社員時代に会社で本書を買ってもらいテクニカルライティングを学びました。
(引いていないところの方が少ないんじゃないかと思う位に蛍光ペンを引いている。当時の自分、頑張っている!)
今でも新しい分野や顧客の案件へのチャレンジの時など、折に触れて読み返している本書。
2024年3月に改訂版も出ていますが(早く読まなくては!)、本日はそんなマーカーだらけの初版をご紹介します。
技術系でない翻訳者にも読んでほしい!
例文こそ技術系の文章ですが、本書は技術系に限定せず、幅広い翻訳者やライターに読んでほしい。
それというのも、「テクニカルライティング」は「プレイン・イングリッシュ」や「シンプル・イングリッシュ」と重なる部分が多いのです。
改めて、目次はこちら。
【目次】
第1章 ライティングの基本
1. 3つのCの概念
2. Correct
3. Clear & Concise
4. センテンス
5. パラグラフ
6. 文書
7. 知っておきたい表記法
第2章 ライティングの英文法Ⅰ
1. 名詞の取り扱い―数
2. 名詞の取り扱い―冠詞
3. 主語と動詞
4. 文型
5. 時制
6. 能動態と受動態
第3章 ライティングの英文法Ⅱ
1. 助動詞
2. 前置詞
3. to不定詞と動名詞
4. 現在分詞と過去分詞
5. 比較
6. 関係代名詞と関係副詞
第4章 ライティングの応用
1. 技術論文
2. プロポーザル(提案書)
3. マニュアル(説明書)
4. 仕様書
5. 技術報告書
6. 特許明細書
冒頭の「3つのC」は、全翻訳者やライターが意識したいポイントです。
「3つのC」
Correct(正確に書く)
Clear(明確に書く)
Concise(簡潔に書く)
言うは易く行うは難し。ぜひ例文とあわせて本書で「3つのC」のパワーを感じてください。
「英文ライティング」だけど、和訳翻訳者にも!
「英文ライティングってことは、日英翻訳者でしょ?」と思われるかもしれません。
いえいえ!「3つのC」を使って原文の英語を脳内リライトすることで原文理解力も上げることができます。
(ただし、脳内リライトをどの程度訳文に反映するかはケースバイケース。翻訳分野ごとに出力をチューニングしなくてはいけませんね。でも、これもまた楽しい作業だったり。)
シンプルイングリッシュを使えば、コミュニケーションに積極的になれる
以前、本書の著者である中山裕木子さんのセミナーを受講しました。
優しく元気をもらえる講義で、それから隠れファンなのですが、中山さんが前向きにコミュニケーション取るキッカケになったのがテクニカルライティングとの出会いだったそうです。
当時もかなりテンションが上がった中山さんの「TEDx Talks」。
ぜひご覧いただいて、テクニカルライティングへの理解を深め、コミュニケーションへの意欲を高めてもらえたら嬉しいです!
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