こんばんは。
土曜日は、趣味に関する本や雑学収集本です。
英米文学者たちのエピソード集
文学部出身の方なら、作品だけでなく作家について深掘りする講義を受けた方も多いのではないでしょうか。作品を楽しむときに作家についての知識を入れておくことには賛否がありますが、それでも作品の産みの親については気になるもの。著者紹介欄の説明だけでは物足りず、検索してしまうときも。自分との共通点が見つかったときなんて、さらにゴキゲンになって次に読む作品の目星をつけています。
本日は『英米文学エピソード事典』を紹介します。『事典』とあって原書は400頁超の分厚い本らしいのですが、日本語訳はエピソード系を抽出した200頁の、新書のように読み物として楽しめる一冊です。索引もあるので、いざ仕事で出てきたときに振り返りやすいのも嬉しい。
最も美文字の作家とは?
文学史の本では、時代や作風などで作家を分類していますが、本書ではやや風変わりな観点から作家たちを比較しています。
「執筆のためのウォーミング・アップ(Warming Up)」
その時の作品に近い書物を読む作家もいれば、猫と遊んでから執筆に入る作家も、朝酒する作家も。
「刺激を与えてくれる習慣(Stimulating Habits)」
作家たちとお酒との付き合い方。
「有名な文学者の最後の言葉(Famous Literary Last Words)」
さすが文学的だと思う文学者も、切なくなってしまう言葉も、笑っちゃう言葉も。
「作家の筆跡(Handwriting of Writers)」という観点も笑ってしまいました。
現代の編集者たちは、タイプライターのおかげで、判読困難な文字と取り組む必要がないのを感謝してもよかろう。判読不能の文字でおなじみの著述家のなかでも最悪の者は、次の通りである。
続く有名作家たちの悪筆エピソードを読んでいると、ついついディレクター目線になっちゃう。当時の編集者たちに敬意を示さずにはいられません。そして、例えば芸能人の直筆の結婚報告などで綺麗な文字だと好感度が上がるように、「多分、有名作家のなかでは最も上手な字を書いた」と紹介されているエドガー・アラン・ポーへの興味がいまかなり高まっています。
エピソードから作品へ
SNSのおかげもあって、現代は作品を目にする前に人柄に接してファンになることも。そんな現代人にとっては教科書になるような本だけでなく、本書のような本のニーズは高まっているのかも? どうしようもないと呆れるようなエピソードや、自分と共通点がある作家を見つけて、「さて、この人はどんな作品を書いたのか」と読んでみるのも楽しい読書体験になりそうですね。
一応は文学部出身ですがあまり作品を読めていないことが心苦しかった私も、本書をきっかけに「読みたい本リスト」がまた充実しました♪
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