こんばんは。
月曜日は、英語や日本語に関する本です。
みんな、書いちゃえばいいんだよ!
別にゲームの才能がなくても、ゲームオーバーを連発しながらゲームをやっていいように、文才がなくても文章を書いていいし、それについて咎められる理由なんてなにもないんです。
こう言ってはなんですが、世の中のビジネス書をパラパラとめくってみても、すべてに対して「文才があるなぁ……」とは思わないじゃないですか。
SNSやブログなど、世界に発信できるサービスが整い、収益化や書籍化のハードルもグッと下がった現代。それでも、学生時代の作文や小論文のトラウマか、文章を書くことに高いハードルを感じる人も少なくなさそうです。
翻訳という仕事をしている私自身も例外ではありません。原文・原音をもとに「ライティング」しているはずなのに、このブログを始める前には「プロのくせに日本語が下手と思われたらどうしよう……」と怖くなったこともあります。
本日は、『書く習慣 〜自分と人生が変わるいちばん大切な文章力〜』です。冒頭の引用部分のように、「書くこと」や「書き続ける習慣」への心理的ハードルを下げるアプローチが沢山紹介されています。
ふだん硬めの文章に触れることの多い分野の翻訳者にとっては、読み始めではやや文章が軽すぎるという印象を受けるかもしれませんが、読んでいくうちに「自分ができていなかった書く習慣」に気づける一冊でした。
「5分だけ、書いてみよう」
本書では、冒頭での書くことへのハードルに続き、その後に「書き続ける習慣」へのハードルを下げる考えを紹介しています。
確実に習慣にしたいのなら、ハードルはうんと低いほうが長続きします。
習慣を長続きさせる魔法の言葉は、
「5分だけやろう」です。
(中略)
そんなとき、「5分だけやろう」と頭のなかで唱えてみると、「1文字でもいいから、今日あった出来事を書いてみようかな」なんて思えてきます。
そして、5分だと思って書いているうちに夢中になって、10分、30分と経ち、気がつけば1記事文を書き終えている……なんてこともあるかもしれません。
(中略)
人はやる気があるから行動するのではありません。
行動するからやる気が出るんです。
最初の一歩さえ踏み出せれば、勢いでタタタッと10歩ぐらい歩いちゃうものなんです。
実際にこの投稿を作成するとき、「5分だけやろう」とタイマーをセットしてみました。すると、気づけば60分集中して作業し、完成させることができました! 最初の5分で、引用したい文面をとりあえずタイプしてみると、頭の中にアウトラインが浮かんでたんです。
以前紹介した『「後回し」にしない技術 「すぐやる人」になる20の方法』にも登場した、韓国のことわざ「走り出しさえすれば、半分は終わったも同然」は、まさにこういうことなのだと思います。
私自身、本来か~なり腰が重いタイプなので、「5分だけやろう」の精神をうまく借りながら、書く習慣を継続していきたいです。

「読者は知らない」
いわゆる文章力についての言及は少な目な本書ですが、「固有名詞の説明を省略しない」という箇所は印象的でした。
次に重要なのが、固有名詞の説明。
たとえばわたしは、渋谷を拠点にした『朝渋』という朝活コミュニティに入っていました。その話を出すときは、何度登場させようが、
絶対に説明を省かないようにしています。
「この前『朝渋』でこんなことがあった。」
と省略するのではなく、
「わたしは『朝渋』という朝活コミュニティに所属しているのだが、この前そのイベントでこんなことがあった。」
というように書きます。
わたしにとって『朝渋』は毎日の生活に溶け込んでいるものであり、『朝渋』のことも、わたしが『朝渋』に所属しているのも、「周知の事実」と錯覚しそうになります。
でも実際に蓋を開けてみると、たまたまSNSでつながっている半径1メートル程度の人が知っているだけであって、ほとんどの人はそんなことは知りません。
(中略)
「わたしってこんな感じじゃん?」とか言われても、
「知るかボケ」なわけです。
(中略)
広く届けたいのなら、「わざわざ言わなくてもわかるだろう」という思い込みから抜け出すことが大切。
そんな、ちょっとした「親切」が、伝わる文章を紡ぐのです。
これは、以前通っていた翻訳学校の日本語ライティングの授業でも強調されていたことでした。たとえば、ジョニー・デップは有名でも、誰もが彼について詳しいとは限りません。
だから「あのジョニー・デップ」だけで済ませるのはNGで、行間に「きっとご存知だと思いますが」といった気持ちを入れながら必要な情報は省略せずに具体的に書く。
その際の理想は、「知っている情報:知らない情報=7:3」の黄金比を意識すること、という教えでした。
理解していたつもりですが、自分のこととなると照れがあったんでしょうか。「しっかり書く」ことにどこか躊躇していたんだなと、改めて気づかされました。
ですが、本書では「自分語り、大いにOK!」「自分の情報や経験、感情を書いていくことが誰かにとって有益になる可能性はとても高い」と背中を押してくれます。さらに引用部分にもあるように、「伝えるための親切心」という視点に立てば、たとえ自分のことでも書くことへの抵抗も和らいでいきそうです。
今後の投稿で「自分語り」、増えちゃうかも♪
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