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『事典世界のことば141』(梶 茂樹、中島 由美、林 徹(編))

こんばんは、管理人です。
月曜日は、英語や日本語、語学に関する本のシリーズでお届けします。

141の言語にまつわる情報が一冊に!

ひよっこ翻訳プロジェクトマネージャー時代、珍しい言語の翻訳を手配するときに「~語と~語は近い」などの情報を知っていたら役立つのではと購入しました。

改めて見ると結構お値段もはるのに、当時の自分、なんだか健気だなぁ。

ある同僚には「え?自腹で買ったの⁈」とドン引きされつつも、フル出社時代はよく「あの本、貸して!」と愛用もされていた一冊です。

141の言語について、133名の執筆者が下記情報を網羅しています(各言語4ページずつ)。

・「主な使用地域」
(地図付きなのが嬉しい!)

・「どんな言語?」
(「~語族~語派」といった分類情報、話されてきた歴史、文字や発音の特徴、人称や時制など文法的な特徴。)

・「使ってみようこんな表現!」
(簡単なあいさつを紹介し、そこから紐づく風習の紹介も。)

・「~語の今」
(使われる地域の拡大・縮小傾向や、発音など言葉の変化についての傾向も。)

・「お奨めの本」
(その言語を学習する際の入門書や辞書情報など。現地の雰囲気が伝わると小説や映画を奨める言語も。)

・「~語を話す人々」
(執筆者がフィールドワークを経て知った人々の傾向など。県民性ならぬ言語民性?)

翻訳作業でも役に立った!

翻訳案件のコーディネートで使うかもと買った一冊でしたが、自身の翻訳作業で役に立ったこともありました。

原文には「~語を話す人々」とだけ。
辞書で「~語」の表記を調べるだけでも翻訳自体はできるのですが、そういえばと本書を取ってみて、該当言語の4ページを読んでから原文に戻ると、一気に原文ドキュメントの解像度が上がったのです!

ITやAIが大好きな積極活用派ではあるものの、これは人間の翻訳者ならではだなと思ったものでした。

世界への理解も

言葉を通じて各国の情勢や歴史への理解が高まることもありました。

近代化によって「将来は消滅する危機にあります」という言語や、「日本による統治時代があったから日本食とその名前が浸透している」言語も……。

言語は人のアイデンティティーを作るものであると再確認し、「言葉で食っている者」として背筋を正される思いです。

執筆者・編集者の言語愛に拍手!

執筆者の一覧を見ると、ほとんどが日本人のよう。
こんなに沢山の言語にそれぞれ第一人者な日本人がいるのだと思うと嬉しくなりました。

そして、そんな133人もの執筆者に対して、一つのフォーマットでの執筆を依頼し、一冊の事典に仕上げた編集者さん達へ、1人PCの前でスタンディングオベーションです!

仕事で出会った言語は、該当ページを読み込んだ後に目次に丸をしています。
専門の英語を鍛えるのはもちろんだけど、今後も丸を増やしていけたらいいな。

図書館には結構あるみたいなので、機会があったら手に取ってもらえたら嬉しいです♪

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