こんばんは。
月曜日は、英語や日本語に関する本のシリーズです。
「自信」を表現するアプローチ、いくつありますか?
小説でそのまま「私は自信があります!」といった直接的な表現ばかりだと、面白みに欠けた作品になってしまう。他に読み手の意図した感情をより表せる表現はないか。読み手が読んでいてより共感でき、感情を読み解く楽しさを味わえる表現はないものか……。
本日は、2人の小説家による感情に関連する言葉や表現を集めた辞典『感情類語辞典』を紹介します。小説家でなくても、「語彙力が足りない!」「言語化できない!」「咀嚼しきれない!」と嘆いたことがある方なら、きっと参考になるのではと思います。
普通の類語辞典と全然違う!
一般の類語辞典が「ある言葉によく似た言葉」を集めているのに対し、『感情類語辞典』は「ある言葉が指す感情を表現できる他のアプローチ」が集められています。
例えば、先ほどの「自信」。類語辞典では「確信」「信念」「自負」などがあがってきますが、本書では下記のように様々なアプローチが。
<外的なシグナル>
・笑顔、いたずらっぽい笑み
・力強い悪手
<内的な感覚>
・落ち着いた呼吸
<精神的な反応>
・肯定的にものを捉える
<強度の、あついは長期の感情を表わすサイン>
・不安になったり、心配したりせずに、いつもとは違うことをやってみる、言ってみる
<隠れた感情を表わすサイン>
・自分の快適度よりも、周りの人々を良い気分にしてあげることを優先する
(※抜粋)
公式サイトにて、サンプルページと著者のことばの試し読みができます。
(サンプルは「愛情」と「多幸感」! 合計4ページに目を通して、前向きな気持ちになってもらえたら嬉しいです。)
セリフ以外の要素から作品理解を深めるトレーニングにも
0→1で新たに言葉をつむぐ人だけでなく、1を受け取って表現する人にも参考になる部分が多いです。出版社も下記のように宣伝しています。
小説家だけでなく、脚本家、シナリオライター、漫画家、さらには演出家や俳優など、物語の執筆だけでなく、キャラクター作りや役作りといった<人間を表現する仕事>のよき相棒として、あらゆる創作者を助けてくれる「類語辞典」です。
翻訳者も<人間を表現する仕事>の一つ。例えば、出版翻訳や映像翻訳ではセリフ以外の描写からの作品理解力をアップできそう。よりよい訳文につながるのではと期待しています。最近よく言われる「AIに負けない翻訳者」のヒントも隠れていそうですね。
感情の言語化で焦りが軽減?
なんだか調子が悪いときに風邪だとわかると、不調の原因が分かってどこかで安心もします。Xで「#全部気圧のせい」タグが付いた投稿をみたときも「そっか、じゃあ仕方がないな」と割り切って休んでみたり、少しだけ自分にご褒美をあげてみたり。
自分自身だけでなく、家族や友人、仕事相手についても、彼らの非言語コミュニケーションに隠された感情を読み取って対応できれば、より良い状況に持っていけるかもしれない。
「キャラクターに命を吹き込み、より豊かな物語を表現する」ことを目的とした本書を通じて、「自分や周りの活力を高め、より豊かな人生を生きる」も実践できたら素敵だなと思っています。
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