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【読書記録115】『バナナの魅力を100文字で伝えてください 誰でも身につく36の伝わる法則』

こんばんは。
月曜日は、英語や日本語に関する本です。

伝えた≒伝わった

確かに伝えたはずなのに、相手が分かってくれない、覚えていない。同じことを言っているはずなのに、家族の話は聞き流されて、職場の人の話はきちんと受け取られる。そんな苛立ちを聞くことがあります。

これは「伝えた=伝わった」を前提としているからこそのモヤモヤで、実際には、こちらが伝えた“つもり”でも相手には伝わっていないことはよくあるもの。
それを知るところから、コミュニケーションも翻訳作業も始まるのだと感じます。

本日は、『バナナの魅力を100文字で伝えてください 誰でも身につく36の伝わる法則』を紹介します。

タイトルからは、さまざまな題材を100文字で伝える実例集のように思われるかもしれませんが、100文字エクササイズはほぼバナナに集中しており、「伝えること」そのものに対する考え方や具体的なアプローチが数多く紹介されている一冊です。

「伝わる」は7階建て構造

本書では、「伝わる構造」は7階建てだと紹介しています。7つ全部必要ということではなく、うまく組み合わせることで伝わる強度が高まるという考え方です。

7階 信頼感
6階 親近感
5階 聞く力
4階 見える化
3階 相手ベース
2階 納得感(理解する、腑に落ちる)
1階 ゴール設定

まず1階は、ゴール設定。

「何のために伝えたいのか」のゴールを設定すること。伝えることに集中しすぎると、意外と見落としてしまう基本ポイントですね。

2階は、納得感(理解する、腑に落ちる)。
「どうすればこの人は納得してくれるのか?」を考え工夫する。相手の価値観やパーソナリティーを知ることも重要そうです。

3階は、相手ベース。
「何をどう伝えるか」だけでなく、「相手がどう受け取れるか」という視点に立つことが大切。ワードチョイスにも大きく影響しそうですね。

4階は、見える化。
ここでは「相手が知っていそうなものにたとえて説明する」というのがポイントで、「ただただ図表やイラスト、動画などを使ってビジュアル化する」というわけではないのにも注意したいです。

5階は、聞く力。
伝えることに正しさがあっても、相手の反応を無視して押し通すのでは逆効果。耳を傾けることで、伝えたいことがブラッシュアップされる嬉しい驚きもあるかもしれませんね。

6階は、親近感。
嫌悪感を抱く相手の話には、なかなか聞く耳は持てないもの。共通点を見つけたり、ときには自分のダメさもさらけだしたりと、相手に親近感を持ってもらえれば話もスムーズにいきやすくなります。笑顔も大事ですね!

さて、最上階の7階は、信頼感。
「この人は信頼できないな」という人の話も、人は聞き流してしまいがち。本書では、信頼を生む行動として「誠実さ・素直さ」「スキル・能力」「結果・成果」「接触頻度」「モラル」などが、自分側の要素として紹介されており、相手側には「関心」「意義・価値・動機」が挙げられています。

翻訳者は相手が2人

翻訳者の仕事とは、原文・原音をまず自分に「伝えて」理解し、言語を置き換えたうえで、読者や視聴者に「伝える」という、二重の伝達を行うこと。

原文の解釈時にも訳文のアウトプット時にも、「伝えた≒伝わった」であることを忘れずにコミュニケーションを取っていかなければと改めて感じた一冊でした。

***

本書が気になった方は、こちらから購入できます。

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この記事を書いた人

企業にて、産業翻訳の翻訳、チェック、ディレクションに従事。
フリーランスにて、映像翻訳と読書ブログ運営。
観劇と、ヨガ・ピラティスが好き。

(このサイトはアフィリエイト広告を掲載しています。)

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