こんばんは。
火曜日はお金や経営に関する本の日です。
ありそうでなかった「お金持ち小説」
本日は、『職業、お金持ち。』を紹介します。20歳の女子大生「あすか」(著者の大学生の頃)が、大富豪の老紳士・えびすさまと出会って彼からお金持ちの考え方を聞いていく、といった主人公がお金持ちを目指す「お金持ち小説」です。
何か他に目的があったり、具体的な手法に特化した小説や、「漫画でわかる」系のお金の本はあったものの、本書は「女子大生が、お金持ちのマインドを学びながらお金持ちを目指す小説」と、ありそうでなかった一冊。kindle Unlimitedの読み放題(投稿時点)で、私はAudibleで聴きました。
「お金持ち」に嫌悪感や胡散臭さを感じる人こそ読みたい
正直に言うと、序盤は、「これ、途中で脱落するかも……」と思っていました。
著者のプロフィールはキラキラインフルエンサー感が満載。1.5倍速で聴いたからか声優さんのキャピキャピとした声もあいまって、作中のあすかちゃんも天真爛漫なキラキラ女子。「こら、えびすさまに敬語を使いなさい!」と自分の中の真面目で厳しいモード(あったのか)が発動しつつありました。
ただ、そこはAudible。移動や家事の合間に聴き流しているうち、あすかちゃんの賢さや素直さに魅力を感じだします。自分が「そんなキラキラ簡単にはいかないでしょ」とどこかで思っていたこと、お金に関してマインドブロックがあったことにも気付けました。
一部だけ引用しようとするとやはり胡散臭さはつきまとうのですが(笑)、物腰柔らかに「お金持ちのマインド」を伝えるえびすさまと、素直に疑問を口にし、咀嚼し、実行して成果を出していくあすかちゃん。二人のやり取りを追っていくうちに目から鱗が何度も落ちていきます。
大学生時代にえびすさまに出会えたあすかちゃんに軽い嫉妬はしつつも、「いいことを聞いた、これからが楽しみ!」と気持ちが前向きになっています。
働く人も、働かない人も持ちたい「セブンポケッツ」
あすかちゃんのように「お金持ち」ではなく、特定の職業に憧れている人や愛着を感じて日々取り組んでいる人もたくさんいます。
そんな人たちにとって、お金持ちになるということは自分の好きな仕事を否定されるようにも感じるかもしれません。私も、本書を読む前を振り返ると、ややそう思っていた節があります。
ですが、えびすさまや本書は別に不労所得以外に収入を得る仕事を否定しているわけではありません。さらに、「セブンポケッツ」という重要な考え方をあすかちゃんに伝えます。
「資産形成には『セブンポケッツ』という考え方がある。安心して暮らすために、七つの収入源、つまりポケットを持つこと。収入源が七つあったとしたら、たとえひとつがダメになったとしても、慌てることなく対応できるよね?」
「その七つって、具体的にどんな稼ぎ方かは決まっているの?」
「いいや? これはね、そこを考えるところからがスタートなんだよ。あらかじめ決められた内容のものではなくて、人によって内容は変わってくる。全く異なった、バラバラな分野でそれぞれの収入源を確保しようとする人もいるだろうし、逆に、似通った業種や自分の専門分野に特化して、その中で収入源を七つ確保するのがいい人もいるだろう。自分がゼネラリストタイプかスペシャリストタイプかによるから、これは好みだね。正解はない。
会社員としての給与収入だって立派な柱のひとつだし、雇われを掛け持ったってもちろんいい。投資に焦点を当てるとしても、金融投資、不動産投資、事業投資、と様々な種類があるでしょう?(中略)
そういった数ある業種や職種の中で自分は何を選ぶか、どうやったら収入を得られるか?を導き出し、実践していくのがセブンポケッツの考え方だよ」
しっかりとした仕事をひとつ掴んでいればいい時代が終わり、思考停止はもちろん、ひとつの仕事への「一途さ」も危険になっているのでしょうね。ポートフォリオをいくつか持つことの重要性を再認識しました。そして、「色んなことができる」「色んなやり方がある」と知ってのワクワク感も。
本書を読んでいるときに半休を取って平日のお昼に喫茶店に行ったのですが、とっても豊かな気持ちになれました。こうやって、ゆっくり外でお茶しながら本を読む時間を増やしていけるように仕事も投資も頑張りたいと思います。
(ただ、写真を撮りそびれた! こちらは金箔でリッチ気分を味わえた昨年のカフェ写真。美味しかった♪)

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