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【読書記録74】『海外ドラマはたった350の単語でできている』

こんばんは。
月曜日は、英語や日本語に関する本です。

医学系研究者の英語徹底分析

「どうやって、そんなに英語を話せるようになれたん?」
と同僚に聞いてみると、
「海外ドラマをいっぱい見たら話せるようになったよ」とのこと。(中略)
なかばあきらめつつ毎日ドラマを見続けているうちに、僕はある重大な事実に気づきます。
「……ドラマのセリフ、中学レベルの単語ばかりとちゃう??」

実は中学単語や中学文法ができていれば、というのは結構よく聞く話。ですが、本書『海外ドラマはたった350の単語でできている』のすごいところは実際に海外ドラマのセリフで使われている単語やフレーズを抽出し、回数をカウントすして、効果的なアプローチを考察するという研究者ならではの膨大なデータ収集とデータ分析です。

冒頭部分で『SATC』(好きです♪)のセリフを下記のように分析しています。

・『SATC』で登場する全単語は12,088個
・そのうち、「1000回以上登場する単語」は49個で、全セリフの50%
・さらに「100~999回以上登場する単語」は286個で、全セリフの27%
・すなわち、「全セリフの77%は335個の単語でできている
・きりのいい数字にして、全セリフの約80%は350個の単語でできている

これらの分析結果をもとに、350個の単語を紹介していく構成です。

私はもともと文系の人間ですが、理系の文書やビジネスの世界に馴染んだからか、分析結果の数字を目の前にした方が納得感も高く、モチベーションを維持したまま読了できた一冊でした。

即効性のある「多読」とは

「多読」と聞くと、たくさんの文書を読んでたくさんの語彙に触れるトレーニングの印象が強かったのですが、本書で提唱する「多読」はこれとは性格が大きく異なるものでした。

しかし、ここで言う多読の意味はちょっと違うんです。単純に「大量に読むこと=多読」ということではないのです。 大切なのは…やさしい英語を大量にインプットすることなんです。

使用頻度が低い単語を多く知ることよりも、先述した使用頻度の高い「やさしい単語」を繰り返しインプットすることで即効性高くボキャブラリーが強化されると説明されています。

さらには、文書よりも海外ドラマで英語字幕をオンにした「海外ドラマでの多読」を推奨しています。

DVDにしかない最大のアドバンテージがあるんです。それは……
英語をナチュラルスピードで読める(読まされる)
DVDの英語字幕はどんどん先に進んでいきますから、セリフを強制的に速読させられることになります。(中略)
やさしい英語を大量に、スピーディーに読むことで瞬間理解力を鍛えればよいのです。

「読まされる」「速読させられる」に理系男子の英語への悪態を感じる(笑)。本書を発売した2017年や元ネタとなったブログを執筆した時から年数が経ち、いまや配信もあるのでグッとお手軽にできる勉強法になったのも心強いです。

「日本語シャドウイング」と「英語字幕シャドウイング」

「海外ドラマの速読・多読」の一歩先のトレーニングとして、本書では「海外ドラマのシャドウイング」も推奨しています。

ステップ1:日本のテレビ番組で、字幕なし日本語シャドウイング

ステップ2:海外ドラマで、字幕ありシャドウイング
英語字幕をオンにして、英語字幕を目で追いかけながらシャドウイングする
(コツ① 2~3分の短い会話シーンで)
(コツ② 聞こえてくる音に集中し、聞こえたまま真似する)
(コツ③ ボソボソとゆる~い感じでつぶやく、文の意味がわからなくても気にしなくてよい)

ステップ3:海外ドラマで、字幕なしシャドウイング
同じシーンを字幕を消してシャドウイングする
(コツ 俳優の口元から目をそらさずやる)

「まずは日本語をシャドウイングするといい」というのは大学時代にプロの通訳者さんにお聞きしたことでもありました。

さらに一昨年の映画トークイベントで字幕翻訳者さんが「字幕翻訳者が言うのもおかしいかもしれませんが、英語字幕も結構いいですよ」と言われていたのも思い出しました。

翻訳者としては日本語字幕を贔屓してしまいがちですが、英語字幕とも仲良くして英語力をアップさせたいですね!

***

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この記事を書いた人

企業にて、産業翻訳の翻訳、チェック、ディレクションに従事。
フリーランスにて、映像翻訳と読書ブログ運営。
観劇と、ヨガ・ピラティスが好き。

(このサイトはアフィリエイト広告を掲載しています。)

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