こんばんは。
火曜日はお金や経営に関する本の日です。
日常にも役立つ「投資家のマインドセット」
投資家思考は、いわゆる資産形成だけでなく、仕事やキャリア形成にも役立ちます。なぜなら、限られたリソースを最大限活用し、リスクとリターンを合理的に比較して判断することが、あなたの決断力と実行力を高めるからです。
例えば、あなたがお金の使い方に悩んだとき、転職や独立に迷ったとき、「お金」「時間」「労力」「信用」という資産をどう使い、どこでリスクをとってどんなリターンを得るかは、実際に行動を起こすための判断基準になります。
本日は、『お金と自由を手に入れる投資家思考』を紹介します。冒頭で引用したようにお金の投資活動にとどまらない「投資家のマインドセット」について深掘りしていて、著者自身の経験や、著者が関わった人たちの実体験エピソードが交えられています。
実体験エピソードには不動産投資の話が多めで、個人的にはあまりピンとこなかった部分もあったのですが、「投資家のマインドセット」についての考え方には納得できることが多く、参考にしたい点が多くありました。
お金もチャレンジも「長期投資」が基本
私の答えは、買い時は「常に今」です。そして長い時間をかけてリターンを安定させるべきです。この「長期投資」は、資産形成の基本中の基本です。(中略)
そもそも、「投資」と「投機」は別物ですという理解が大前提です。
この二つの違いを簡単に説明すると、次のようになります。
【投資】なるべくリスクを抑えながら、長い時間をかけて着実にリターンを得る
【投機】大きなリスクをとって、短期間で大きなリターンを狙う
例えば株の売買の場合、毎日頻繁に売買を繰り返し、値上がり益を狙うデイトレードが投機です。要するに値動きで差益をとる“機会”にお金を投じているわけです。
一方で、10年単位の長い期間をかけて、社会に必要とされる企業の成長にお金を投じることや、経営者に共感してお金を託すのが投資です。
投資と投機の違いは、意外と知られていない気がします。私自身、会社の退職金制度が確定拠出年金に変わったとき、よく分からないままミーハーな気持ちで(また出ました、私のミーハーさ!)選んだ金融商品が、思いのほか優秀で後から驚いたことがあります。しばらく放置していたら、気づけば資産が増えていて、そこで初めて長期投資や複利の力のすごさを実感しました。あの経験がなかったら、いつ気づけていたんだろう……。
そして、長期投資の視点で考えると、お金以外のことも「早く開始するるほど有利」「遅れるほどリスクが大きくなる」というのがよく分かります。既に「もっと早くにやっていれば」と悔やむことも多々ありますが、だからといってさらに先送りしてしまうわけにもいかない。色々と頑張らねば!
将来のために何かをすべきだという不安や焦りがあっても、なかなか具体的な行動に移せない人は多いと思います。しかし、「お金が貯まったら」「ゆっくり考えてから」「落ち着いたら」という先延ばしの思考でいると、時間はどんどん失われていき、決して取り戻すことはできません。そして時間を失うほどに、短期で結果を出さなければならなくなり、リスクは大きくなります。
現状維持は本当に安全?
本書では「リスクをとらないことが大きなリスク」という考え方も印象的でした。
つい「お金が減るかもしれない」というわかりやすいリスクにばかり目がいってしまいますが、「やらないことで失う資産」にも、ぜひ目を向けてください。それだけであなたの行動はきっと変わります。
人には「現状維持バイアス」という、変化を避け現状維持を望む心理作用があります。未経験のものへの変化を「安定損失」と認識し、現状に固執してしまうのです。
一方で現状維持は衰退の始まりともいわれます。常に世の中は変わり時代は動いています。立ち止まっていれば取り残されるのは当然です。例えばここ10年間を振り返っても、ITの進化、時代のニーズ、働く環境、流通の形態等あげればキリがないほど変化しています。「安定損失」=「機会の創出」と置き換えて、新たな取り組みを始めることを私は推奨していきたいです。
以前、ある通訳者さんが「気づかないうちに下りのエスカレーターに乗っている。努力やチャレンジしないと上っていけない」と言われていたのを思い出しました。「やらないことで失う資産」という考え方はこれからも忘れずにいたいと思います。
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