こんばんは。
日曜日は、ビジネス書の紹介です。
「~しない」が続かないのには理由があった
認知行動療法では、「もう動画は観ない」「食べない」「お酒を飲まない」などの「●●しない」という形の目標は達成しにくいと言われています。
動画を観ないために、食べないために、その時間帯に何をどうすればいいのかわからないからです。
「2025年こそは、~をやめる!」といった目標に対して、すでに挫折してしまった方もいらっしゃる時期でしょうか。そんな時に「「~しない」という形の目標はそもそも達成しにくい」というのは嬉しい情報でもありますね。
本日は臨床心理士、心理学博士の著者による『脱ダラダラ習慣! 1日3分やめるノート』を紹介します。Kindle Unlimitedの読み放題タイトルです(投稿時点)。
やめたい習慣には「代替行動」
「~しない」ではなく、「~の代わりに~をする」という「代替行動」をとることで、結果的にやめたいことがやめられると紹介されています。
多くの方におすすめしているのは、「やめられない習慣」の背景にある本当に欲しかったものを埋める行動をすることです。
これを、「やめられない習慣の代わりとなる、同じニーズを満たす行動」という意味で「代替行動」と言います。
成功する「代替行動」を見つける4つのコツも紹介されています。4つすべてを満たさなくてもOKです。
「代替行動」を見つける4つのコツ
●条件1 やめたい習慣の機能を満たす
●条件2 得意で興味あり
●条件3 やめたい習慣と両立しない
●条件4 周りから評価される
私の場合だと、「やめたいこと」のひとつがゴシップ系のネットニュースだったのですが、代替行動を電子書籍にしたのは効果的でした。「本当に欲しかったのは活字を読むという行為だな」と掘り下げて、読書で活字は読めるし、好きなわりにあまり読めていなかった本が読めて、こうやってブログで紹介もできます。
「電子書籍リーダーに持ち替えるのが億劫なときはスマホでOK」と、代替行動への切り替えのハードルを下げに下げたことも良かった! 活字好きはついつい興味がない活字も読んじゃいがち。本当に読みたいものにアクセスしやすくしておくのは良さそうです。
「やめるノート」で心と行動のつながりを自覚
代替行動を意識するだけではイマイチだという方に、本のタイトルにもなっている「1日3分やめるノート」が紹介されています。「1日3分」とあるように、1項目1行と、1日分の記載は短く、なんなら空欄があっても大丈夫です。
「1日3分やめるノート」の構成
・日付
・①今日の出来事
・②やめたい習慣の量
・③本当に欲しかったもの
・④代替行動
ノートを書き続けていくにつれて、「この日は仕事での不安が大きかったから~時間もしちゃったんだ」「本当は~してほしかったんだ/~したかったんだ」「~をやってみたら、やめることができた!」など、自分の心と行動のつながりを自覚できる仕組みです。
本書で紹介されている方々のノートを読むだけでも、人間の心理を垣間見ることができて興味深かったです。翻訳者にとっては、自分のことだけでなく、作中人物の理解にも応用できるかも? 時系列に沿って、「出来事、心理、行動」をメモすると見えてくることもありそうです。
そもそも、本当にやめたいのか?
本書では、ゲーム、SNS、動画、お酒、暴飲暴食をやめるためのアプローチが紹介されていますが、これらが必ずしも毒ではないのも確か。
もしかしたら自分にはポジティブな効果をもたらしているのに「やめないといけないこと」「ダラダラな習慣」とは思ってほしくないなという感想も持ちました。ゲームやSNSも仕事になる時代ですし、映像翻訳を勉強中の身にはあまり動画を悪者にしたくないという身内びいきもあったり……。本書でも「SNSばっかりしている」と自己嫌悪になっていた女性が、SNSで同じ資格試験を目指す仲間と励まし合いながら勉強するというポジティブな変換も行われています。
そもそも何をやめたいのか、何をやりたいのか、どの程度やめたいのか、やりたいのかは本当に人それぞれ。誰かの価値観でなく、自分の価値観と相談しつつ、「自分が本当にやめたいことなのか」を判断するための、「やめるノート」なのかもしれません。
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投稿時点では、AmazonではKindle Unlimitedの読み放題タイトルです。
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