こんばんは。
火曜日は、お金や経営に関する本です。
高校での金融教育の義務化から4年目
2022年(令和4年)4月から始まった高校での金融教育の義務化も、今年で4年目に突入。身近にこの年代の子がいる方は、影響を感じていますでしょうか。
成年年齢の引き下げで、いまや18歳でクレジットカードが作れたりローンも組めたり。高校生への金融教育は、賢く資産を作るという「攻め」の意味だけでなく、トラブルを避ける「守り」の意味合いもあっての取り組みでしょうね。
私自身の高校時代はというと、家庭科の授業でライフプランニング表を作ったのを、なんとか覚えているくらいです。
(ちなみに、このライフプランニング表、いまだに持っています。大掃除のたびに「全然違うやんけ!」とツッコミながら見返してます(笑)。)
新NISAや副業解禁の影響もあって、今は会社員であっても「自分で判断する経済力」がますます大切に。分かりやすさもあって、たまに高校生用の教材にも触れています。
こちらの「高校生のための金融リテラシー講座」なんて、大人でも読んだ方がいい人も多そう。
https://www.fsa.go.jp/news/r3/sonota/20220317/package.pdf
そんななか、本日は『新版 アメリカの高校生が読んでいる経済の教科書』を紹介します。日本の高校生にとってだけでなく、自分自身にとっても資産形成に役立つ知識が増えて意識が育つ一冊でした。
「複利」をいつ知りましたか?
本書は、アメリカ経済教育協議会(CEE)がまとめた「経済教育のスタンダード」を、日本人向けにアレンジした経済入門書シリーズです。日本での金融教育の義務化より前に刊行されたものですが、こうした書籍は少なからず義務化に影響を与えていそうですね。
目次はこちら。
序 章:経済学の基本は「希少性」と「選択」
第1章:家計の経済学――複利のパワーを味方につける!
第2章:企業の経済学――人々を満足させることで利益を得る
第3章:金融の経済学――あなたの「利息」は、あなたの「信用」で決まる
第4章:政府の経済学――目的は国民全体の生活を良くすること
第5章:貿易と為替の経済学――国際的な分業で世界全体が潤う
個人的な衝撃は、第1章にしっかりと「複利」が取り上げられていること。「利子にも利子がつく」という、いわゆる“雪だるま式”の仕組みですね。実際に計算例とあわせて学ぶ構成になっていて、10代のうちにこの知識を持っていた人と、そうでなかった人とでは、人生単位でかなりの差がつくなと実感しました。
私はというと、複利について知ったのは社会人になってしばらくした頃。そして周囲を見ても、いまだにこの恩恵に気づかず使っていない人も結構いるなという印象があります。
「自分も高校生の時に知りたかった!」と悔しい思いもありますが、以前紹介した『お金の大学』でおなじみ、リベ大の両学長の口ぐせ「今日が一番若い日!」を胸に、今からでも遅くない資産形成を一歩ずつ進めていきたいと思っています。

義務教育の内容からその国を知る
日本も金融教育を義務化して力を入れてきたとはいえ、「経済や金融に強い高校生」はまだ珍しい存在かもしれません。ただ、これがアメリカだと話は変わってきます。
たとえば、アメリカの高校を舞台にした映画やドラマで、登場人物が利率の話をしたり、投資について話したりしても、別にその子が“スーパー高校生”というわけではないのかもしれません。
外国作品を翻訳するときには、その国での義務教育の内容にも目を向けるといいのかも、と改めて気づきを得られた一冊でもありました。
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本書が気になった方は、こちらから購入できます。
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