おはようございます。
今日は、ビジネス書や自己啓発本です。
「嫌われる勇気」の話は、なかなか出てこない?
本日は、2013年12月に発売されベストセラーとなった『嫌われる勇気』。
ずっと気になっていたのですが読めておらず、Amazon Audibleにて2026年3月31日まで聴き放題となっていたので、この機会に挑んでみました。
哲学者と青年の対話形式でアドラー心理学を解き明かしていく本書。私にとっては、耳からの読書で大正解でした。ビジネス書ではあるものの、どこか小説のようにも楽しめます。
しばらく聴き進めていて思ったのが、「『嫌われる勇気』の話は、いつ出てくるの?」ということ。
タイトルを見ると、「他者からどう見られるかを気にしすぎてはいけない」というメッセージが中心の本のように思えます。
しかし実際には、それにとどまらず、私たちの心理を“アドラー心理学”の視点から再定義していく一冊でした。
私たちは、自分で「自分が嫌われる理由」を作っている?
アドラー心理学は、私たちがよく知っているフロイトの理論を真っ向から否定します。
たとえば、「自分が今○○なのは、幼少期の△△のせいだ」といった考え方。
これは本書では「フロイト的な原因論」と位置づけられています。
確かに分かりやすい説明ではありますが、アドラー心理学では「過去そのものに意味があるわけではない。意味は自分が与えている」と考えます。
さらに本書では、赤面症のために好きな人へ告白できない女学生のエピソードが紹介されます。
そこから導かれるのは、「人はあえて自分でマイナスの意味――つまり“自分が嫌われる理由”――を作っているのではないか」という見方です。
本書の青年のように、思わず反論したくなりつつも、どこか思い当たるところもあります。
読み終えてみると、「味わって良かった」と思えるような、少し痛痒い読後感のある一冊でした。
承認欲求からの脱却で、自由と自分主体の幸せを
アドラー心理学は、“承認欲求”についても否定的な立場をとります。
「承認欲求にとらわれているうちは自由がない」というのです。
本書では「人間の幸福とは、他者への貢献感である」と語られます。
しかし、そのときに他者が自分の貢献を認識・承認・称賛してくれるかどうかという物差しは必要ないとされています。
それは、幸福を得る手段が「承認欲求」になっているから。承認欲求に依存している以上、他者の人生を歩まざるをえない。だから、承認欲求を満たして得られた貢献感には自由がない。
つまり、自分が主観的に「誰かの役に立てている」と感じられれば、それでよいという考え方です。
皮肉なことですが、他者の目線を気にせず、主観的な貢献感を持って幸せを感じている人のほうが、結果として周囲から承認される——そんな場面も、実際には多いのかもしれません。
対話自体のセラピー効果
いつの間にか身につけてしまった考え方から抜け出すのは、なかなか簡単ではありません。本書の青年のように、「正直、まだ納得しきれていません」と感じる場面もありました。
そんな自分の気持ちを代弁してくれる青年と、根気強く、そして何より友として誠実に語りかけてくる哲学者。その対話を、共感や安心感のある声優さんの声でガイドしてもらったような感覚でした(哲学者:てらそままさきさん、青年:金野潤さん)。
親子、夫婦、カップル、友人、上司と部下――私たちはさまざまな関係の人と会話をしていますが、本書の哲学者と青年のように、腰を据えて議論や対話を重ねる機会は意外と少ないのではないでしょうか。
上司と部下が1対1で話す「1on1(ワンオンワン)ミーティング」という言葉も定着してきましたが、どちらかが言いたいことを言いきれないまま、消化不良で終わってしまうこともあります。
そんななかで、とことん対話を重ねていく本書を読み進めるうちに、「哲学や心理学、そして読書という体験は、とことん自分と対話させてくれるものなのだ」と感じられたのも、うれしい発見でした。
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