MENU

【読書記録41】『「後回し」にしない技術 「すぐやる人」になる20の方法』

こんばんは。
日曜日は、ビジネス書の紹介です。

「自分が本気出したらスゴイ」と思う人はスゴくない

ドキッとしました? 私はこれを言われたらドキッとします(笑)。

他人から課された「やらないといけないこと」から元々は自分がワクワクしながら掲げた「やりたいこと」まで、人は忙しい日々で色んなことを後回しにしがち。「やっぱりできなかった」「でも、やれば自分はスゴイはず!」を繰り返しているなら本書がオススメです。

 多くの人は、実行力とはすなわち意思の力であり、意思の力は生まれつきの資質だと思っている。だから決心したことを三日坊主であきらめてしまった後で、自分を「意志が弱い人間だ」と責める人が多い。だが、それは誤った考えだ。
 実行力は生まれつきの資質ではなく、学んで練習すれば誰でも開発できる、一種の「技術」だ。いつまでたっても行動に移せないのは、意思の問題ではなく、まだ効果的な方法を学んでいないからだ。

本日は、『「後回し」にしない技術』を紹介します。韓国の臨床心理専門家による、韓国でベストセラーになったビジネス書の日本語訳書。Kindle Unlimitedの読み放題タイトルです(執筆時点)。

「成果=力量×実行力」

本書は冒頭で、成果を生み出す方程式について説明しています。

同じ能力を持ち、同じことを願っている人でも、結果が千差万別なのはどうしてだろうか。それは、成果が力量と実行力を掛け合わせた値で決まるからだ。
つまり、「成果=力量×実行力」だ。力量とは才能、知識、創造的なアイデアと組織の企画力、革新的な戦略などを含む。だから、才能や知識、アイデアがいくら優れていても、実行力が0点なら成果もやはりゼロになってしまうのだ。
すべての偉大な成功は、必ず実行することによって成し遂げられる。実行しなければ何も成し遂げることはできない。

ここで注目したいのは力量と実行力は足し算でなく掛け算ということ。自分の実行力に自信がなく自覚ができている人でも「それでも、これだけ力量・実力があるんだから見つけてもらえるはず」と、足し算マインドの方は結構いらっしゃるのではないでしょうか。

勉強した成果で成績や進学先が決まっていた学生時代と、大人になってからの学習・訓練は違うんだと本書は改めて提示してくれました。大人になってからはいくら熱心に勉強して力量をつけても、実行力において「0をかけたらゼロ」「マイナスをかけたらマイナス」ですね。

そして、「実行力」は「(へこたれずに)実行(し続ける)力」でもありますね。翻訳の仕事だと、「翻訳学校では自分より訳が上手い人がいたけど、気がつくと残ったのは自分だった」という声も聞いたことがあります。闇落ちポイントを上手くやり過ごして進むことができる工夫もしていきたいですね。

一見厳しいようにも感じますが、逆に考えると実行力も重視して鍛えていけば成果が得られるということ。そして、実行していく中で力量も自然と伸びていくことを意識できれば、むしろ大人の自由度も感じます。

「走り出しさえすれば、半分は終わったも同然」

では、実行力を鍛えるためには具体的にどうすればいいのか。たくさんアプローチが書かれているのですが、本日は印象に残った2つを紹介します。

一つ目は韓国のことわざ「始まりが半分」というマインドを持つこと。

確かに「始めたら半分だ」ということわざは、物理的には間違っている。だが、心理学的には決して間違いではない。どんなことでも、いったん始めさえすれば、その仕事をやり遂げる可能性はずっと高くなるからだ。

とうてい仕事を始める気分になれない。誰でもそんな日がある。ある仕事がとてもできそうにない気がしたら、まず簡単なことから初めて、失敗してもいいと気楽に考えてみよう。できない言い訳ばかりを探さずに、すべき理由を探そう。そして、その仕事と関係のある、簡単で小さな仕事をひとつ、いますぐに始めよう。不思議なことに、いったん始めさえすれば、そこからは楽に進むことが多い。
(中略)
実際は、意欲がなくて始められないのではなく、始めないから意欲がわかないのだ。

まずは10分でも、1ページでもやってみよう。「自分が本気を出したら1時間はできる」「1時間はやらないと意味がない」など「始まりの自分への期待や執着」を手放すことも大事そうですね。

心の中に「ふたつの締め切り」を

もう一つ印象に残った考えが、「開始デッドライン」を設定すること。

 忙しいと悲鳴を上げたり、仕事でアップアップしたりするわけではないのに、他人よりも多くの成果を出している人がいる。彼らには、忙しそうにしている失敗した人たちとは違う、いくつかの特徴がある。
 まず、失敗した人たちがやりたがらないことを、嫌がらずにする習慣を持っている。彼らもまた、やりたくない仕事を後回しにしたり、意欲がわかない仕事に恐れを感じたりするが、やりたくないという気持ちを強い目的意識によって克服する。彼らはやるべき仕事があれば、何とかしてそこによい点を見つけ出し、すぐに手を付けられる小さな仕事を作り出す。
 また、実行力に優れた人の心の中には、実は「ふたつの締め切り」がある。仕事をいつまでに終わらせるという「終了デッドライン(Ending Deadline)」だけでなく、仕事をいつから始めるかという「開始デッドライン(Starting Deadline)」を持っているのだ。

私の場合、翻訳学校の課題の最初の手探り作業が「後回しにしたいこと」になりがち。素材や手法、客先(先生が都度違うので、以前のその先生の回を思い出して好みに合わせたチューニングも試みています)がバラバラで、毎週最初の着手が億劫になり、これは本当に間に合わないぞとなった時に動き出してエナジードリンクを相棒に頑張った不健康な時期もありました……。

それでも本書を読んでから、始まりの自分へのハードルを下げることに加えて、そもそも何で通学しているのかの目的を意識しつつ、「ココまでには着手する」という開始デッドラインを設けることで徹夜生活からは脱却できました。終了デッドラインは他人から決められることが多いけど、開始デッドラインは自分で決めることが多い。そんな開始デッドラインを守れることは自信にもつながっているような感覚があります。

No Action, No Change!
「後回しにしない自分」を目指したい方へオススメの一冊でした。

***

本書が気になった方は、こちらから購入できます。
投稿時点では、AmazonではKindle Unlimitedの読み放題タイトルです。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

企業にて、産業翻訳の翻訳、チェック、ディレクションに従事。
フリーランスにて、映像翻訳と読書ブログ運営。
観劇と、ヨガ・ピラティスが好き。

(このサイトはアフィリエイト広告を掲載しています。)

コメント

コメントする

目次