MENU

【読書記録135】『たそがれビール』

こんばんは。
水曜日は、小説・エッセイ・漫画本の日です。

推しの推しは?

本日は、小川糸さんのエッセイ『たそがれビール』のレビューです。

『食堂かたつむり』や『ライオンのおやつ』などで知られる小川糸さん。実は、私が応援している俳優さんが好きな作家でもあります。

「推しの推し」が気になり、さらにはタイトルの「たそがれビール」と可愛らしい表紙に惹かれて手に取った本書、日本とドイツを軽やかに行き来する様子や、それぞれの場所での生活を楽しむ描写が沢山の一冊でした。

日本とドイツの二拠点生活エッセイ

コロナ禍までは日本とドイツを行き来していた小川さん。本書(2015年刊行)は、「(タイトル) 日付」の形で、一年を断続的に綴る日記エッセイになっています。

日本でもヨーロッパでも、小川さんは各地を訪れ、小さなおともだち「ららちゃん」とのデート、美術館、コンサート、サーカスと、かなりアクティブな日々。

その移動の多さや、1話(=1日)ごとの分量の短さ、日記という形式もあって、全体としてとても“軽やか”な印象があります。ここは人によっては“軽さ”となり、好みが分かれるところかもしれません。

私の場合は、Audibleで耳から聴いたのもあってか、すっかりミーハーな文系女子心をくすぐられてしまいました。「こんなふうに、心地よい住処をいくつも持ち、移動しながら物書きや翻訳ができたら!」と、つい夢を見てしまいます。

ドイツやデンマークの料理も本当に美味しそうで、パン屋さんやカフェに行きたくなる描写がたくさん!

もちろんすぐに海外との二拠点生活は難しいですが、つい家にこもりがちになる日常のなかで、「ちょっと電車や新幹線に乗って出かけてみようかな」と、気持ちも体もふっと軽くなる感触がありました。

作家だからこその、翻訳者としてのまなざし

小川さんには、作家だけでなく翻訳者としての顔もあります。

絵本の翻訳も手がけており、本書では、「アングランドさんの絵本 2月20日」と「待つよろこび 11月2日」にて、アメリカの児童書作家・イラストレーターであるジョーン・ウォルシュ・アングランドの作品の翻訳作業について綴られています(「ともだちはどこ?」「はるになると」「クリスマスがやってくる」の3作品)。

自らも物語を紡ぐ小川さんだからこその、丁寧なまなざしと表現への配慮が感じられる場面が印象的でした。そんな思いが表れた部分を引用して、本日はここまで。

アングランドさんの絵と言葉の、やさしい雰囲気を乱さないように。
そして、含蓄のある内容が、簡単な言葉で届くように。

(※Audibleを聴いての書き起こし。表記は未確認です。)

***
本書が気になった方は、こちらから購入できます。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

企業にて、産業翻訳の翻訳、チェック、ディレクションに従事。
フリーランスにて、映像翻訳と読書ブログ運営。
観劇と、ヨガ・ピラティスが好き。

(このサイトはアフィリエイト広告を掲載しています。)

コメント

コメントする

目次