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【読書記録102】『伝説の7大投資家 リバモア・ソロス・ロジャーズ・フィッシャー・リンチ・バフェット・グレアム』

こんばんは。
火曜日はお金や経営に関する本の日です。
(また遅くなってしまいました。でも、せめて本日中に!)

相場に不安を感じたとき、立ち返りたい「伝説の知恵」

米国株、かなり下がっていますね……。私も毎朝アプリで資産をチェックしていますが、ここ数日の値下がりにはさすがに驚かされました。長期目線でのホールドと積立継続が定石とは分かっていても、やはり心がざわつく瞬間もあります。

そんなときこそ、SNSやニュースの声に振り回されるのではなく、時代を超えて語り継がれる「伝説の投資家」たちの言葉に立ち返ってみようと思い、『伝説の7大投資家 リバモア・ソロス・ロジャーズ・フィッシャー・リンチ・バフェット・グレアム』を読んでみました。

群れずに、自分で考える

本書では、タイトルの通り7人の著名な投資家について、生い立ちや投資哲学がコンパクトにまとめられています。

第1章 「ウォール街のグレートベア」ジェシー・リバモア
第2章 「イングランド銀行を潰した男」ジョージ・ソロス
第3章 「百聞は一見に如かず」ジム・ロジャース
第4章 「成長株集中投資の大家」フィリップ・フィッシャー
第5章 「伝説のファンドマネジャー」ピーター・リンチ
第6章 「オマハの賢人」ウォーレン・バフェット
第7章 「バフェットの師」ベンジャミン・グレアム

それぞれの投資家について、一冊まるごと本が出ているような大物ばかり。ダイジェスト感はありますが、だからこそ比較がしやすく、初心者にも読みやすい構成になっています。

印象的だった共通点のひとつは、「自分の頭で考えることを何より重視している」こと。本書に登場する投資家たちは、ウォール街からあえて離れた場所にオフィスを構えるなど、「情報の多さ」ではなく「質」と「自分の判断」を大切にしていました。

二人が入ったオフィスはウォール街の中心地から離れた場所にあった。ソロスの住まいから近いという理由もあったが、ソロスの仕事仲間によるとそれ以上に大きかったのは二人がウォール街の既存の考え方ややり方に懐疑的で独自の考え方、やり方を追い求めていたからではないかという。
ジェシー・リバモアも同様にウォール街の中心から離れた場所にオフィスを構え、ウォーレン・バフェットに至ってはオマハを拠点にしているが、伝説の投資家にとって「ウォール街のど真ん中」は余計な情報が飛び交う邪魔な場所に過ぎないのだろう。

7人それぞれ手法は異なりますが、共通しているのは、「群れない」「自分で企業を調べ、自分で考える」姿勢。現代の私たちにとっては、SNSやYouTubeなどの投資情報もノイズになりがちですが、「自分の頭で判断する」ことの大切さを再確認させられました。投資に限らず、色んなことにも言えそうですね。

特にバフェットとグレアムの章では、長期ホールドの重要性とその意義が改めて腑に落ち、相場に一喜一憂しない心構えが強まりました。

お金だけにとらわれない

5人目のピーター・リンチの章で、リンチがファンドを退職する際の言葉も印象的でした。

1990年5月、マゼラン・ファンドを巨大ファンドに成長させたリンチは会社を退職することになった。挙げた成果は素晴らしいものだが、投資銘柄を追い続けるためには妻や子どもと過ごす時間を確実に奪うことになった。こうした時間の少なさは悔いを残すことになるとリンチは考えた。こう話している。
「死の床で『もっとオフィスで時間を過ごしていれば』とつぶやくような人はいるわけがない」

金融の世界だけでなく、生き方のヒントも詰まっていた一冊でした。

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この記事を書いた人

インハウスで産業翻訳の翻訳、チェック、ディレクションに従事。
フリーランスでの映像翻訳と読書ブログ運営とのマルチキャリアを模索中です。
観劇と、ヨガ・ピラティスが好き。

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