こんばんは。
金曜日は、翻訳に関する本のシリーズ、今日は通訳に関する本です。
記者とアナウンサーくらい違う? 翻訳者と通訳者
翻訳者と通訳者の違いを、「記者とアナウンサーくらい違う」と表現される方もいるほど、文字によって伝える仕事は音声によって伝える仕事とは異なるもの。一部では兼任している人もいるものの、専門性が高くなるほどどちらかに専念する方が多い印象です。
それでも、きっと記者とアナウンサーも互いの仕事から学ぶことがあるのと同じく、翻訳者も通訳者を取り巻く環境やそのキャリアパス、普段の学習や当日意識するポイントなどから学べることはたくさん。
本日は、『通訳の仕事 始め方・続け方』を紹介します。Kindle Unlimitedの読み放題タイトルです(執筆時点)。通訳志望者や現役通訳者はもちろん、翻訳者にも参考になる点が多かったです。
通訳者にまつわる概況から具体的な学習・業務手順まで オンライン通訳についても
例えば逐次通訳と同時通訳の違い、通訳のジャンル、通訳者に必要な能力といった入門時の情報から、レートアップについてや通訳現場への持ち物など具体的なマニュアルとも言える記載も多く、入門→基礎→応用がまとめられていました。
欲を言えばもっと英語以外の言語への言及が欲しかったですが、それでも通訳に興味があるという段階の方からデビュー済み、中堅、ベテランすべての方に何か気づきがある本だと思います。
特に、遠隔通訳(オンライン通訳)ページは重宝されるのでは。「コロナ以降、リモート会議が浸透して、むしろ通訳をお願いする会議は前より増えた」という声もたまに聞きます。本書の具体的な環境整備や設定、事前すり合わせ事項は強い味方になりそうです。
通訳トレーニング方法や付録教材は、語学学習や翻訳トレーニングにも
シャドーイング等の通訳学習法は語学学習にも最適。本書では改めてノートテーキングの具体的なやり方など通訳トレーニングについて解説されています。「音源を聞いてシャドーイングしながら九九を紙に書いていく」を試してみたのですが、これがまた難しい!
そして、付録として特典動画のQRコードがあり、5~60分のセミナー動画が視聴できるのも嬉しいポイント。翻訳でも参考になる部分も多かったです。
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難しさや厳しさについて言及はしつつも、文中でも動画でも通訳者さんの通訳の仕事への前向きな姿勢が感じられて元気ももらえたように思います。
「自分は通訳はやらないから」と手に取らないのはもったいない一冊でした。
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本書が気になった方は、こちらから購入できます。
投稿時点では、AmazonではKindle Unlimitedの読み放題タイトルです。
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