こんばんは。
日曜日は、自己啓発本・ビジネス本です。
「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず」の続き
40年間も「一万円の顔」だったこともあり、親しみが深い歴史上の人物である福沢諭吉。翻訳者としての大先輩でもありますね。
そんな福沢諭吉の「学問のすすめ」はいまだに日本最大のベストセラービジネス書とも言われています。ただ、「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず」という言葉が実は、「生まれたときは平等であるのに、現状を見ると差がかなり開いている。それは正しい学問をして行動したかどうか」という話だと知らない人もいるのではないでしょうか。
本日は、現代人も改めて読みたい「学問のすすめ」を関西弁で現代語訳している『もしも福澤諭吉が関西弁で「学問のすすめ」を書いたら「学問しぃや」』を紹介します。Kindle unlimitedの読み放題タイトルです。
現代人にも、現代人にこそ重要な内容を関西弁でわかりやすく!
見出しを一部抜粋します。
これだけでも、クスっと笑っちゃう関西弁。内容が頭に入ってくるスピードや面白さが違います。
・学問をせなあかん理由
・人はホンマに平等か
・自由って、わがままのことちゃうで
・本を読むことだけが学問ちゃうで
・なんで「学問しぃや」ていうタイトルなんか
・個人の独立があって国も独立すんねん
・自分の考えで他人を縛ったらあかん
・判断力を養うのは学問なんや
・心と働きのバランスをとりや
テンポの良さと、読者個人を否定するのでなく啓蒙していく言葉に、いざ行動してみようというモチベーションも上がります。元気が出ないときや、腰が重くなって誰かに優しく喝を入れてもらいたいときにおススメの一冊です。
願わくは、関西人の実力派俳優さんに朗読してほしい! 一人芝居もいい!!
現代語訳やマンガで古典を読むのも全然アリ
本書や「マンガで読む~」等のシリーズは邪道で、原書を読むべきという方もいらっしゃるかもしれません。もちろん、原書が読めて理解できるなら良いのですが、明治の文体は現代の私たちには難解で読むのに時間がかかります。
実は「学問のすすめ」でも、福沢諭吉は「外国語の原書よりも日本語に翻訳された翻訳書で学び、応用せよ」と言っています。
<原書(青空文庫より)>
これらの学問をするに、いずれも西洋の翻訳書を取り調べ、たいていのことは日本の仮名にて用を便じ、あるいは年少にして文才ある者へは横文字をも読ませ、一科一学も実事を押え、その事につきその物に従い、近く物事の道理を求めて今日の用を達すべきなり。
<本書(関西弁)>
こういう学問のときは、たいてい西洋の翻訳書を調べるんやけど、基本的には難しい言葉を使わんと、できるだけ簡単な言葉を心がけたほうがええ。それか、若くて学問の才能がある人やったら、西洋の原文をそのまま読んでもかまへん。
とにかく、それぞれの学問では「事実を押さえ」て、「物事の性質を客観的に見極め」て、「物事の道理を理解する」のがいちばん大事やねん。そこから、自分に必要な目的を達成するのに使っていくべきやねん。
私自身も、ある技術の翻訳が続いていた頃に、研究者や開発者が読むような本を参考にして苦戦し、後に基礎から分かりやすく説明している本を読んでようやく腑に落ちた経験があります。
見栄を張りたい気持ちもやっぱりどこかにはありつつ、身の丈にあっていない参考資料を見て作った訳文は、それこそクライアントには稚拙に見えるもの。特に翻訳作業のはじめの調べ物では、自分が腹落ちしやすい資料で世界観などに触れていきたいですね。いまなら動画もいいかも!
いまなら生成AIに手伝ってもらうのもアリ
さらには、生成AI時代のいま、ChatGPTをはじめとした生成AIに「口調変換」を頼んで理解を深めるというのもいいかもしれません。先ほどの「これらの学問をするに、~」を、ChatGPTに頼んで博多弁にしてもらいました。
<ChatGPT(博多弁)>
これらの学問ば学ぶにはね、西洋の翻訳された本ば調べるのが大事っちゃけど、だいたいのことは日本語(仮名)で分かるようにしとるっちゃん。そいで、若かけんど文才のある子には横文字(外国語)も読ませるっちゅうわけたい。そんでな、一つ一つの学問については、ちゃんと実際の事実ば押さえて、そのことに合ったやり方で物事の道理ば探って、今の世の中で役に立つようにせないかんとよ。
皆さまは、関西弁と、どちらが分かりやすいでしょうか? その他、例えば「(作品名)の(キャラ名)の口調で」といったリクエストにも結構な精度で返してくれます。情報セキュリティには注意し、また場合によっては事実確認が別途必要になるかもしれませんが、なかなか優秀で可愛い相棒になってくれそうです。
(また、事実確認について、最近は欲しい情報を得た後に「参考URLをください」とプロンプトに入れています。事実確認や申し送りソースの入手に結構使えてお気に入りです。)
色んなインプットのやり方を楽しんで、どんどんアウトプットしていきたいですね!
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