こんばんは。
日曜日はビジネス書や自己啓発本の日です。
選択肢が沢山で迷った時に
知識は無駄にならない。翻訳の仕事をしていると、「あの時に仕入れた知識がこんなところで役立つなんて!」と感動することもあれば、「もっと〇〇についての知識を仕入れなくては……」と痛感することもしょっちゅうです。
ただし、知識や選択肢が多いからこそ、時に迷いとなってしまうことも。外国語をコツコツと学ぶことに苦がない通翻訳者こそ、知識が行動力を低下させてしまう可能性についても、頭のどこかで理解しておいた方がいいかもしれない。
本日の一冊は、グリム童話『狐と猫』。青空文庫にて無料で読めます。https://www.aozora.gr.jp/cards/001091/files/60125_72100.html
「あれかな? それともこれかな?」と足踏みしてしまうときに、「とにかく、これでやってみよう!」と気持ちを切り替えたい。そんなときに思い出したいお話です。
猫は助かり、物知り狐は捕まった
『狐と猫』はとても短い童話です。
ある日、猫が狐に話しかけると、狐は猫を小ばかにし、「お前には何ができるのか」と尋ねます。
「わたくしにできることは、たった一つしかありません」と、猫は小さくなって答えました。
「どんなしわざだ?」と、狐がたずねました。
「犬どもがわたくしを追っかけてまいりますと、木の上へのぼって、じぶんを救うことができます」
「それっきりか」と、狐が言いました、「おれさまなんざ、できる事が百もある。そのうえ、おまけに智慧(ちえ)のいっぱいはいった袋をもってる。」
そんな狐の知識自慢の最中に、まさに犬を連れた狩人がやってきます。
猫は、すばやく木の上へ跳びあがって、いく本もの太い枝やこんもりした葉が自分のからだをすっかりかくしてくれる梢(こずえ)へすわりこみました。
無事に助かった猫。
かたや狐はというと……。
「ふくろの口をおほどきなさいな、ねえ、おきつねさま、ふくろの口をおほどきなさいな」と狐に呼びかけましたが、その時は、犬どもはもう狐をつかまえて、しっかりおさえつけていました。
たくさんの選択肢があったはずの狐の方が、犬に捕まってしまいました。
ここで描かれている狐や猫のように、生死にかかわる問題とまではいかなくても、我が身をふりかえってドキっとする人も多いのではないでしょうか。
決断力やスピードが求められる場面では、たとえそれが最良の選択でなかったとしても、「すぐ動く」。そんな大切さを教えてくれています。
「Project Gutenberg」で英語版も
青空文庫で読めるグリム童話。
ということは、大体の作品が、以前ご紹介した“英語版・青空文庫”の「Project Gutenberg」にて英語版が読めます。
https://www.gutenberg.org/cache/epub/2591/pg2591-images.html#link2H_4_0046#:~:text=THE%20FOX%20AND%20THE%20CAT
「Project Gutenberg」についてはこちらから。
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個人的には、ちょうど『名文で学ぶ英語の読み方』を読んだばかりで、短い童話の英語読解が楽しい時期。英日対比させつつ、楽しく読みました。猫はメスだったんですね!
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大人もドキッとしてしまう童話シリーズ。
今後もたまに紹介していきたいと思います♪
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本書が気になった方は、こちらから無料で読めます。
(日本語版:青空文庫)https://www.aozora.gr.jp/cards/001091/files/60125_72100.html
(英語版:Project Gutenberg)https://www.gutenberg.org/cache/epub/2591/pg2591-images.html#link2H_4_0046#:~:text=THE%20FOX%20AND%20THE%20CAT
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