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【読書記録146】『「本当にいい会社」が一目でわかる有価証券報告書の読み方 ― 決算書だけではわからない「儲かる仕組み」はココを見る!』

こんばんは。
火曜日は、お金や経営に関する本です。

“お宝”書類、「有報」

「有価証券報告書は略して有報。上場会社が必ず年に1回作成しなければならない書類だ。実は、その有報には会社に関するものすごい量の情報が詰まっているんだ。それを読めば会社のビジネスモデルや経営方針、決算情報などがわかるようになる。」

有価証券報告書(ゆうかしょうけんほうこくしょ)。翻訳者であれば、金融・IR・ビジネス分野ではおなじみの書類ですね。

とはいえページ数が多く、それぞれの項目が「何のために存在しているのか」まで理解する前に、翻訳作業に追われてしまうこともしばしば。

本日の一冊は、公認会計士・秦美佐子(はた・みさこ)さんの『「本当にいい会社」が一目でわかる有価証券報告書の読み方 ― 決算書だけではわからない「儲かる仕組み」はココを見る!』。Kindle unlimitedの読み放題タイトルです。

「有報」に触れる機会がある人にはその中身が一段と身近に感じられ、これまで有報に馴染みがなかった人にも、ビジネスや資産形成のヒントをくれる一冊でした。

物語仕立てだから、有報の“使いどころ”がスッと入ってくる

「それらの情報は株式投資に役立つだけでなく、競合他社の状況を知ることで自社の経営戦略の立案にも役立つし、クライアントの状況を知ることでそこに合った提案やアプローチが可能となり営業がしやすくなる。このように、有報を読めるようになるとさまざまなメリットが受けられるんだ。しかも有報はEDINETというホームページで閲覧することができ、簡単に入手できる」僕は勢いに乗って有報のメリットをつらつらと述べ始めた。

「僕は勢いに乗って〜」とあるように、本書は小説の形で有報の有用さを説明していきます。主人公の会計士・水沢佑真が、周囲の人のビジネスや資産形成の悩みを、有報を一緒に読み解きながら手助けしていく物語です。

「う~ん。さっきからメニューの強化がよく出てくるけど、実際はどう開発していけばいいのかな。利益率が高くて、顧客受けのいいメニューってどう開発されているんだろう」さくらは不安げな表情を浮かべた。

「『第2【事業の状況】6【研究開発活動】』に参考になる情報が載ってるからそれを見てみよう」

このように、よくある悩みに対して、「有報のどの項目を見ればヒントが得られるか」を、具体的なシーンを通して教えてくれる構成になっています。

個人の事業や資産形成にも

「いや、別に会社を経営するわけじゃないし……」となかなか食指が動かない人も多いですよね。

ですが本書では、有報は個人店や個人事業主のビジネス、営業パーソンの営業活動、就職・転職活動や開業計画、そして個人の資産形成でも役立つことが説明されています。

たとえば第1章では、大学生の立花さくらが実家の定食屋「定食屋たちばな」の売り上げアップのために、佑真と一緒にマクドナルドの有報を読み、ヒントを見つけていきます。
店舗数1つの定食屋さんが、世界に約41,000店舗を持つ大企業から学んでいく姿は、個人事業主が多い通翻訳者にとっても「有報って、使えるかも?」と思わせてくれます。

第4章と第5章では、佑真は高校の同級生・藤野隆の相談にのります。給与収入に加えて投資で資産を増やしたい藤野へのアドバイスは、インデックス投資だけでなく個別株にも挑戦しようとしている今の私にもピッタリでした。

正直、学生時代の私は有報の存在すら知らず……。もし知っていれば就職活動ももっと効率的で、なによりもっと“面白がって”取り組めたのかもしれないと感じています。

同じく、経営やビジネス、資産形成に少しとっつきづらさを感じている方にも、この本が届くとうれしいです。

***
本書が気になった方は、こちらから購入できます。
投稿時点では、AmazonではKindle Unlimitedの読み放題タイトルです。
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この記事を書いた人

企業にて、産業翻訳の翻訳、チェック、ディレクションに従事。
フリーランスにて、映像翻訳と読書ブログ運営。
観劇と、ヨガ・ピラティスが好き。

(このサイトはアフィリエイト広告を掲載しています。)

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