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【読書記録144】『読書する人だけがたどり着ける場所』

こんばんは。
日曜日はビジネス書や自己啓発本の日です。

「読書は大事」に、腹落ちする本

「本を読みなさい」と言われることはあっても、「なぜ本を読むとよいのか」まで言語化して伝えてもらえる機会は少ないかもしれません。

本日の一冊は、齋藤孝さんの『読書する人だけがたどり着ける場所』。Kindle unlimitedの読み放題タイトルです

大人になると「本を読みなさい」と言ってくれる人はぐっと減ってしまう。しかも今は、情報収集としても娯楽としても、本以外の選択肢が一気に増えています。

そんななかで、「読書した方がいいのは分かっているんだけど……」と腰が重くなっている人や、「もう本じゃなくてもいいんじゃない?」と本から離れつつある人にまで、読書だからこそ得られること」「読書する人だけがたどり着ける場所」に気づかせてくれる一冊でした。

読書は「深さ」を与えてくれる

「なぜ本を読むとよいのか」の答えとして、本書では「読書で“深い人”になれる」という点を挙げています。

映画を見た感想やニュースに対するコメントにしても、聞く人が刺激される面白い話しができる人と、みんなが言っているような一般的なことしか言えない人がいます。

 浅い人と深い人。どちらの人の話を聞きたいか、聞くまでもありませんね。

 では、その浅い・深いはどこから来ているのでしょうか。

 それは一言で言えば、教養です。

 教養とは、雑学や豆知識のようなものではありません。自分の中に取り込んで統合し、血肉となるような幅広い知識です。

ひよっこ読書ブロガーとしては、身が引き締まる思いです……。

 バラバラとした知識がたくさんあっても、それを総合的に使いこなすことができないのでは意味がない。単なる「物知り」は「深い人」ではないのです。教養が人格や人生にまで生きている人が「深い人」です。

 深い人になるには、読書ほど適したものはありません。

 本を読むことで知識を深め、思考を深め、人格を深めることができます。

こう書かれていると、「なんだか“オベンキョー“”の話だな……」と抵抗感を持つ人もいるかもしれません。正直に言うと、途中途中で「さすが大学教授」といったインテリ感はあります。

それでも、本書は「教養を持つこと、“深い人”になることで、人生の楽しみが増える」という視点を教えてくれました。

古今東西の名著を引用するというのは、映画や本だけで行われているのではありません。ジョーク、雑談だってそうです。教養があれば、何かを踏まえて笑い合うことができます。「あれはマクベス夫人のようだね」と言って笑い合えるわけです。

“内輪ネタ”って、楽しいですもんね!
教養は、“内輪”を増やし、広げていくものなのだと改めて感じました。

知的で教養のある人生を選ばない人にとっては、何をしているのかわけがわからないと思います。その分、人生の楽しみが減ってしまうのですが、それに気づいていません。単純な、いかにも「面白がってください」というエンターテインメントに慣れて、複雑な楽しみがわからなくなってしまいます。

 端的に言えば、「教養のある人のほうが、人生が面白くなる」ということです。

 この世はもっともっと複雑な楽しみにあふれています。その複雑な楽しみに気づき、面白がることができるようになるのです。

“パッケージ化された面白さ”を受動的に消費するだけよりも、いろいろなことを能動的に面白がれるほうが、確かに人生そのものが豊かになりそう――読んでいてそんなことを思わせてくれました。

知識は、ペンキのように上塗りしていく

本書では、「なぜ本を読むとよいのか」に続けて、「こう読むといいよ」という読書法や、おすすめの書籍も数多く紹介されています。なかでも印象的だったのが「ペンキの上塗り方式読書法」でした。

まったく知らない分野の本は、1冊2冊読んでもまぁ身につきません。理解できていない箇所も多いと思います。だからと言って、一行一行理解しようとしたら先に進めず挫折してしまうでしょう。それよりも、8割忘れたっていいやというくらい気楽に、まずは通しで読んでみる。読み終わったら、同じ著者の別の本を読む。

 それを繰り返します。同じ本を2回読むのもいいけれど、飽きてしまうので別の本を読みます。そうやって、ペンキの上塗りのように知識を積み重ねていきます。最初は適当でいいのです、適当に繰り返せば、ちゃんとペンキが濃くつきます

情報収集系の本だけでなく、手ごわい古典文学などにも、まずはこの気楽さで向き合うとよさそうです。

とはいえ、読書をしていると「これって遠回りでは?」と不安になる瞬間もあります。そんなときに安心させてくれる言葉をもう一つ引用して、本日はここまで。

読書で知識を深めたいと思ったとき、最初のうちはなかなか知識が増えない感じがするかもしれません。読んだはずなのにちゃんと頭に残っていないと「読んだ意味はあったのだろうか?」とむなしく思ってしまいますね。でも、「自分はバカなのだろうか」と悲観する必要はありません

 知識の増え方について考えるとき、普通は10努力すれば10増える、20努力すれば20になるというような正比例の図をイメージするのではないでしょうか。しかし、私の感覚はそうではありません。細胞分裂のように、倍、倍で増えていく感じです。

 1が2になり、2が4になり、8、16、32、64、128……。

 最初のうちはたいした違いがないように見えますが、積み重ねるほど大変な差になります。

(中略)

 すでに知っていることは確かな知識として定着し、新しいことも「つながり」が見えます。「あ、あれと同じだ」とか「ここでつながっている」とわかる。どんどん知識がつながっていくから加速度的に増えていきます。

***
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投稿時点では、AmazonではKindle Unlimitedの読み放題タイトルです。
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この記事を書いた人

企業にて、産業翻訳の翻訳、チェック、ディレクションに従事。
フリーランスにて、映像翻訳と読書ブログ運営。
観劇と、ヨガ・ピラティスが好き。

(このサイトはアフィリエイト広告を掲載しています。)

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