MENU

『黄昏てマイルーム』コナリ ミサト (著)

こんばんは。
水曜日は、小説、エッセイ、漫画本です。

DIY、お好きですか?

専門家に頼らずに自分の手で物を作ったり修理したりする「DIY(Do It Yourself)」、日本でもすっかり聞きなれてきましたね。皆さまはお好きですか? 以前DIY好きの友人に、ホームセンターは私にとっての本屋さんのようなものと言われ妙に納得した記憶があります。

そもそも「DIY」なのか「D.I.Y.」なのかの議論もしたいところですが一旦置いておいて、本日は『凪のお暇』『珈琲いかがでしょう』で知られるコナリミサトさんのDIYマンガ、『黄昏てマイルーム』です。

パッとできそうで、しかも楽しそう

出版社によるあらすじはこちら。

都内で働くOL・八重樫紀子ことキコちゃん(33)が、ある日仕事から帰ってくると部屋の中はがらんどう…。
顔だけは百点満点だった元恋人の前髪重男に、家財道具一式をキレイさっぱり持っていかれたのであった。
なんにもない部屋をなんとか生活できるレベルにすべく、DIYを始めるキコ。
不器用だし手間も時間もかかるけど、自分で作った「ものたち」には不思議なほど愛が湧いてきて…。
恋に、仕事に、DIYに、失敗を繰り返しながらも体当たりで成長をしていく、キコの再生ものがたり。

コナリさん作品は、「パッとできそうで、しかも美味しそう」なマネしたくなる料理のレシピが魅力のひとつですが、本書はそのDIY版。まずは電動ドライバーで木にネジを打つところから、なんだか楽しそう。少しずつ家具が増えていく部屋に、まるで秘密基地に招待されているかのようなワクワク感があります。

私も本書を読んで、それまで億劫になっていた本棚の高さ変更と中身の入れ替えを実行できたのですが、棚も中身の本もこれまでより愛着がわいて、電動ドライバー片手にかなり満足したものです。

ちょっと手を加えることで、家や暮らしへの愛着を高めてくれる本。大掃除の時期にもピッタリかもしれません!

翻訳者も、手を動かす勇気がもらえるかも

キコちゃんの元を身勝手に去った元カレ、前髪重男は理想を前に神経質になる自分に嫌気がさして、自分の手を動かすことを拒否してしまいます。

翻訳者もまた、ふだんの仕事が頭の中で訳文を練りに練る作業なだけあって、頭で考えすぎて手を動かすまで時間がかかる人もいるかもしれませんね。私もこのブログを開始するまでに結構な時間がかかりました……。そんな私も含め、ちょっと腰が重くなっている人にとって、重男と一緒にキコちゃんに勇気をもらい「小さな釘を新たに一本打てる」一冊です。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

インハウスで産業翻訳の翻訳、チェック、ディレクションに従事。
フリーランスでの映像翻訳と読書ブログ運営とのマルチキャリアを模索中です。
観劇と、ヨガ・ピラティスが好き。

コメント

コメントする

目次