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【読書記録79】『美容は自尊心の筋トレ』

こんばんは。
日曜日はビジネス書や自己啓発本の日です。

美容は誰もが楽しんでいい

どこぞの誰かから小言を言われる可能性はあるが、スキンケアやメイクをしなくても生きていくのに困りはしない。それでも老若男女に「美容っていいもんだよ」と知らせてまわりたいのは、「自尊心を育む生活習慣」としての効用を日々実感しているからだ。

本日は『美容は自尊心の筋トレ』を紹介します。

美容ライターによる本と聞いたら、自分にとってはハードルの高い「正解」を提示される本なのではと身構えてしまいがちかもしれません。ですが、本書は、美容と聞いて申し訳なさを感じちゃう人や、自分には無関係だと思っている人にこそオススメしたい一冊でした。社会人学生生活で美容が疎かになりがちな今の私も、むしろ元気をもらえました!

「正解はないと知ること」が正解

そもそも、メイクの起源は呪術である。自分の顔におまじないをかける気持ちで、できるだけ素敵な設計図を書いていきたい。

一方のスキンケアは、(中略)肌がきれいになるという結果はもちろんほしいけれど、その手前にあるささやかな気分の変化も大切に味わってほしい。

本書では、自分の気持ちに対して、メイクは高めてくれて、スキンケアは落ち着かせてくれたらそれでOK。どこかで聞いた「こうあるべき」といった「他人の正解」は気にしなくていいと繰り返し伝えています。自分なりの「いいな」と思った美容を日々やっていくこと、それが「自尊心の筋トレ」となって、じわじわと自尊心が鍛えられていく。時に努力必要なシーンでも、「自分に合った楽しい努力を選んで、追い込みは痛気持ちいいところぐらいまでに止めておこう」という考え方も、筋トレをしたことがある人には分かりやすい例えでした。

自分や身内への自虐が当たり前な世界がどうにも合わなかったので、他人の正解を意識しての自虐もしなくていいと言ったメッセージにも元気をもらえたり。知らず知らずのうちに自分の中に積み上げられていた「他人の正解」を積み下ろすことができた感覚があります。

色んな美を知ることは翻訳にも役立つ

世界には絢爛豪華なマリー・アントワネットの美もあれば、いびつな茶碗に小宇宙を見た千利休の美もある。わかりやすさや人気には差があるかもしれないが、それぞれの美しさの正誤を判じ、優劣をつけることはできない。私は美のアーカイブは広ければ広いほどいいと思っている。もちろん深さもほしいけれど、とりあえず広げるだけでも世界や自分の見え方に変革が起きる。

私は映画や舞台を観るようになってから、まさに「色んな美しさがあるんだな」と思うようになりました。宝塚のOGコンサートも好きでたまに行くのですが、同じ元トップスターさんでも個性が全然違う!

自分だけでなく他人の見方も変わるというのは、翻訳にも通じる話かもしれません。作品を訳す時にはできるだけヒーローやヒロインに惚れたいもの。色んな美を知っていくことは、キャラクターの魅力をより自分の中で味わってから訳語を生み出すことにもつながりそうです。

美について語るボキャブラリーも豊かな方がいい。美しい↔︎醜いの二択、きれい・可愛い・色っぽいぐらいの小さな振り幅でみりょく魅力を語ろうとすると、味わうことのないままポロポロと取りこぼす美がもったいない。

ボキャブラリーというだけあって、まさに翻訳者の腕の見せどころ! 色んな美を、ビジュアルだけでなく言葉でも収集していきたいと改めて思います。

日々「自尊心の筋トレ」をしつつ、自分も、翻訳対象の人物たちも、魅力を高めていきたいですね。

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本書が気になった方は、こちらから購入できます。

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この記事を書いた人

企業にて、産業翻訳の翻訳、チェック、ディレクションに従事。
フリーランスにて、映像翻訳と読書ブログ運営。
観劇と、ヨガ・ピラティスが好き。

(このサイトはアフィリエイト広告を掲載しています。)

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