こんばんは。
日曜日はビジネス書や自己啓発本の日です。
その心配は、ただ自分が思い込んでいるだけ
余計な不安や悩みを抱えないように、
他人の価値観に振り回されないように、
無駄なものをそぎ落として、限りなくシンプルに生きる。
それが、この本で私がいいたいことです。
「幽霊の正体見たり枯れ尾花」というではないですか。これは、幽霊と恐れていたものが、なんのことはない、ただの枯れたススキだった、ということですが、心にわだかまったり、心を落ち込ませたりしているものも、実はそれと同じ。客観的に見れば、「なんでもないことに振り回されてしまっていることが多い、というのも、やっぱり本当のことなのです。
本日は、『心配事の9割は起こらない: 減らす、手放す、忘れる「禅の教え」』のレビューです。
仏教・禅宗の僧侶である著者による本書では、心を軽くしてくれるヒントとなる「禅の教え」が、やさしく語られています。信仰の有無や対象にかかわらず、聞きたい話がたくさんの一冊でした。
“読んでよかった”が見つかる、48の「禅の教え」
本書は、48のトピックに対して、仏教や禅の言葉、著名人や偉人の言葉を引用しつつ、「禅の教え」を解説しています。
こう書くとむずかしそうに感じるかもしれませんが、著者は庭園デザイナーや大学教授でもある方。ビジネスや家庭でのエピソードも交えて語られていて、とても読みやすかったです。「お説教臭さ」もなく、頭や心にスッと入ってくる感触がありました。
1章:さっさと減らそう、手放そう、忘れよう
①“妄想”しない
②「いま」に集中する
③引きずらない、抱え込まない
④持ち物を減らす
⑤「あるがまま」でいる
⑥「色眼鏡」を外す
⑦「潔い人」になる
⑧「いい加減」を心得る
2章:「いま」できることだけに集中する
⑨「あたりまえ」を見直す
⑩あせらない、あわてない
⑪前向きに受け止める
⑫朝を大事にする
⑬自分の「ものさし」で生きる
⑭余計なことを調べない
⑮置かれた場所で輝く
⑯感情に逆らわない
⑰夜は静かに過ごす
3章:「競争」から一歩離れると、うまくいく
⑱「勝負」にこだわらない
⑲コツコツ続ける
⑳「おかげさま」を感じる
㉑「いい言葉」を使う
㉒若い人に任せる
㉓どんな境遇も受け入れる
㉔今日やるべきことは、今日やる
㉕簡単に逃げない
㉖もっと「寛容」になる
㉗「流れ」に任せる
㉘うまく話そうとしない
㉙呼吸を整える
㉚家の中の“空気”を変える
4章:人間関係が驚くほどラクになるヒント
㉛「縁」を大切にする
㉜「いい縁」を結ぶ
㉝先を譲る
㉞「正論」を振りかざさない
㉟毎日10分、自然に触れる
㊱「また会いたい」と思わせる
㊲過ちは「すぐ」に認める
㊳“迷わず”助けを求める
㊴聞き上手になる
㊵損得で判断しない
5章:「悩み方」を変えると、人生は好転する
㊶「お金」について
㊷「年をとる」ことについて
㊸「老い」について
㊹「恋愛」について
㊺「夫婦」について
㊻「親子」について
㊼「死」について
㊽「最期」について
目次を眺めているだけで、「この話、聞きたい!」と思えるトピックもあれば、「この話、聞かないといけないかもなあ……」とちょっとドキッとするようなテーマも。でも読んでみるとどちらも「聞いてよかったな」と思える内容でした。
Kindle Unlimitedの読み放題対象にもなっているので、気になるトピックだけつまみ読みしてみるのもいいかもしれません。
ことば好きはハマる、奥行きたっぷりの「禅語」の世界
私が本書を気に入った理由のひとつが、「禅語」の引用の多さです。禅の教えを短い言葉に表した「禅語」は、短い中にも奥行きがあって、ことば好きの心をくすぐります。
繰り返し触れて、自分の中に取り込みたい、誰かにそっと手渡したい──そんな言葉がたくさん詰まっていました。
この投稿を読んでくださっているということは、もしかしたら、いま何か心配事を抱えているのかもしれませんね。そんな方の心が少しでも軽くなることを願いながら、「雲無心にして岫を出ず(くもむしんにしてしゅうをいず)」のことばと教えを引用して、本日はここまで。
座禅をしていたって、さまざまな思いが浮かんでくるのは止めようがないのです。浮かんできた思いはそのまま放っておけばいい。
すると、自然に消えていってしまいます。
浮かぶに任せ、消えるに任せる。それが「無心」に近い心の在り様です。
水に一石を投じると、さざ波が立ち、波紋が生まれます。その波紋をなんとか静めようとして手を見ずに入れたら、さらに複雑な波紋が生じる。放っておけば、しだいに波紋は静まっていき、やがては鏡のような水面が戻ってきます。
心も同じことでしょう。
「雲無心にして岫を出ず」
という禅語があります。
文字どおり、雲はなにものにもとらわれず、風が吹くままに形を変え、いざなうままに動いていきながら、雲であるという本分を失うことはない、という意味。まさに、無心を現じているのです。
***
本書が気になった方は、こちらから購入できます。
投稿時点では、AmazonではKindle Unlimitedの読み放題タイトルです。
コメント